「どうせ僕、お兄ちゃんみたいには続かないし」
次男がぽつりとこぼしたその一言が、今でも耳に残っています。
あれから何日経っても、正直、私もまだあの夕方を思い出すと胸が痛みます。
こんにちは、えりこです。
中学生と小学生、2人の男の子の母をしながら、会社勤めをしている普通の母です。
習い事をめぐって兄と弟を比べてしまったあの日のことを、家庭で起きたまま書き留めておきたいと思います。
ある日曜の夕方、リビングで

つい先週の日曜の夕方のことでした。
うちの次男は、この4月からプログラミング教室に通い始めて、もう2か月以上が経っていました。
3か月のラインを越えるのが本当に苦手な子なので、内心では、いつまで続くだろうと半分諦めていた自分がいたのです。
その日はちょうど宿題の課題を家でも進めていて、私は隣で書類仕事をしながら様子を見ていました。
「今日のところまで、ちゃんとできたよ」
そうぼそっと言ってくれた次男の声が、いつになく嬉しそうでした。
私もつい笑顔になりかけたのに、その次の瞬間、よけいなひと言が口から出てしまったのです。
「お兄ちゃんのときは、もっと進んでいたよ」
書類のペンを止めずに、私はそう口にしてしまいました。
次男はしばらく黙ったあと、ぽつりと言いました。
「どうせ僕、お兄ちゃんみたいには続かないし」
その瞬間、私は自分の手元を見つめたまま動けませんでした。
正直、私はそのときまで、自分が我が子を比べていることにすら気づいていませんでした。
スイミングをやめた日と、似た表情

あの日曜の夜から、次男の顔を見るたび、ある別の日のことを思い出していました。
去年の11月、スイミングのバッグを抱えて玄関で泣いていた次男に、私は
「行きたくないなら、もうやめていいよ」
と言ってしまった、あの日のことです。
あれから半年、私は今度こそ、同じような言葉を出したくないと思って暮らしてきました。
それなのに、別のかたちで次男の小さな自信を削っていたのだと、改めて思い知らされました。
夜、夫に話したら、ふうんと一言、そんなに気にすることかと返ってきただけでした。
でも私には、次男がずっと兄の影を追いかけさせられているように感じられたのです。
同じ兄弟でも、長男は負けず嫌いで、次男はマイペースなタイプです。
その違いを、私はいつの間にか優劣のように扱ってしまっていた気がしています。
今、声に出さないようにしている言葉

あの日曜日以来、私は
「お兄ちゃんのときは」
という言葉を、なるべく口に出さないようにしています。
比べる言葉は、たぶん本人が一番気にしているのだと、ようやく腑に落ちたのです。
次男には次男のペースがあって、3か月のラインを越えること自体が、もう過去最長の更新でした。
先週、教室で初めて自分の力でキャラクターを動かせたと、家でぼそっと嬉しそうに話してくれました。
その横顔を見て、この子はこの子のペースで前に進んでいるのだと、心からそう思えた気がします。
習い事は、誰かと競わせるためではなく、その子自身が好きでいられる場所であってほしいと、改めて感じています。
同じ気持ちのお母さま・お父さまへ

兄弟で習い事の続き方が違うと、つい比べたくなる気持ち、本当によくわかります。
でもその一言が、下の子の小さな自信を、そっと削ってしまうこともあるのかもしれません。
- 上の子と下の子は、別のペースで進んでいる
- 比べる言葉は、本人が一番気にしている
- 続いていること自体が、もう小さな成長
正直、私も今でも口がすべりそうになることがあります。
それでもつい兄と比べそうになったときは、いったん立ち止まって、その子のペースをそのまま見守る選択肢があることを思い出していただけたら嬉しいです。