子どもは毎日勉強できていますか?
毎日とまでは言わなくとも、自ら進んで勉強をする習慣は身に付いているでしょうか?
「勉強しなさい!」
と事あるごとに子どもに言わなければならない保護者の負担は、意外と大きいものです。
大半の子は、勉強を好んでしてくれることはないです。
そうなるとどうしても親や周りの声掛けによって、勉強に取り組むように促す必要があります。
そんな苦労から抜け出せる方法は、子どもに勉強習慣を身に付けてもらうことです。
自分から勉強をしてくれるなんて、親としてこれほど嬉しいことはないと思います!
そこで今回は、長年子どもの勉強に向き合ってきた私が、勉強習慣の身に付け方をご紹介します。
どうして勉強習慣が大切なのか?
勉強習慣はなぜ大切なのでしょうか?
学校の授業にしっかりとついていけたりテストで良い点数を取ったり、基本的には学校の成績のために勉強をすることがほとんどでしょう。
学校で良い成績を取れば、良い学校や進路に進むことができる。
そう考えると、親として子どもに勉強をしてほしいと願うことは、当然のことのように思えます。
また勉強習慣は成績以外にも良い影響を及ぼします。
例えば子どもがはまりがちな先延ばし癖。
何かの習慣を身に付けるということは、先延ばし癖を克服できる自立性を習得することができます。
自律的な行動力が育まれると
- 決めたことをコツコツと続けられる
- 時間を意識して行動できるようになる
- 先のことを考えて計画を立てられる
このように大人になってからも役立つ力を身に付けることができます。
勉強習慣が身に付く5つのポイント!
ここからは勉強習慣を身に付けるためのコツを5つ紹介ます。
どれも大切な要素になるので、まずは何ができていないのか考えて、一つずつできるようになりましょう。
勉強習慣は一朝一夕では身に付かないので、継続することが大切ですよ!
環境づくり
環境づくりは、まず勉強を始める上で最初に大事になる部分です。
というのも勉強をする環境が整っていなければ、勉強に取り掛かれないからです。
- 机が散らかっている
- スマホやゲームが出しっぱなし
- 勉強に関係ないものがある
- 周りがうるさい
などなど
勉強が苦手な子ほど、勉強をする環境を整えることも苦手です。
勉強ができる場所やしやすい環境がなければ、勉強を継続する難易度は高くなるので、まずは勉強だけに集中できる環境を整えましょう。
対策!
常日頃から、勉強をする机には勉強道具以外を置かないようにする。
そういった場所が作れないなら、図書館や塾の自習室を活用する。
時間づくり
勉強習慣を身に付けるために、急に勉強する時間を日々の生活に組み込んではいませんか?
勉強時間は増やすのではなく、作る必要があります。
どういうことかというと、勉強をするためにまずは何か他の時間をなくすようにしましょう。
そして勉強ができる時間を作ってから勉強に取り掛かると、無理なく勉強時間を確保することができます。
- ゲームの時間
- スマホを見る時間
- ダラダラしている時間
- 寝る時間
などなど
日々どのように過ごしているのかを洗い出して、どの時間を削り勉強時間を作るのか考えましょう。
もしかすると他の時間を削らなくても、整理するだけで意外なところに空き時間が見つかるかもしれません。
生活のリズムを全く変えずに勉強時間を増やすことはできませんし、無理やりそれをしてしまうと大きな負担に感じてしまいますよ。
対策!
勉強の時間を作るために、毎日のスケジュールを整理してみよう。
1日の時間は増えないので、勉強の時間は自ら作る必要があります。
小さく始める
小さく始めることは勉強習慣を身に付ける上で大切になります。
子どもにとって勉強は、基本的につまらなくてやりたくないことです。
急にたくさんやろうと意気込んでも、仮に最初はモチベーションがあったとしても、長くは続きません。
それは根本的にやりたくないと思っているからです。
ですが日々の歯磨きや入浴のように、習慣化さえできればコツコツと続けることができます。
短い時間でも毎日続けることを意識して勉強を続けてみましょう。
対策!
急に長時間の勉強を始めようとしない。
まずはそこまで負担のない範囲で、毎日勉強に取り組んでみる。
親は見守る
勉強に対して、親があれこれ口を出してはいませんか?
親心として口を挟みたくなる気持ちは理解できますが、過度な干渉は逆効果になります。
人は誰しも命令されるとやりたくなくなるものです。
親から言われたことに素直に従ってくれる年齢や性格の子ならまだしも、そうではなくなった場合は、上から物を言うよりも対等な立場でのアドバイス程度に留めておく方が良いでしょう。
勉強習慣を付けるための最低限の土台づくり(環境や時間づくりなど)が完了したら、あとは見守ってみましょう。
そしてもし躓いているようなら、一緒に改善点を話し合ってみることが大切です。
対策!
勉強習慣を身に付けることを妨げないように、親からの過度な干渉は控える。
もしどうしても何か言いたいときは、アドバイスをしてみよう。
子ども自身で計画する
最後に勉強習慣を身に付ける際に重要なことは、子どもが主体性を持つことです。
勉強ができる子は、自ら勉強に取り組んでいることが多いです。
親から言われたことに従っているだけだと、なかなか習慣も学力も身に付きません。
しかし勉強嫌いの子が急に勉強に対して主体性を持つことは滅多にないので、周りのサポートが必要不可欠です。
勉強習慣を身に付けるために必要なこと(上記で述べたこと)を子ども自身でしたり考えたりできるように、親が一つ一つ質問をしてみましょう。
- 机に勉強と関係ないものはない?
- 毎日10分勉強するならいつできそう?
- 少しだけ勉強するならどの科目が良い?
- 続けられたら何かご褒美がほしい?
などなど
子ども自ら決められるようにすると、勉強習慣は長続きしやすいです。
さらに主体性・自立性を身に付けるきっかけにもなります。
対策!
勉強習慣の計画は、子どもが自分で考えて決めるようにする。
子どもだけで難しい場合は、親は質問をしながら導いてあげる。
習い事への影響
ここまでは勉強習慣を身に付ける具体的なコツを見てきました。
お次は勉強習慣が身に付くことで、習い事にどのような影響があるのか考えてみましょう!
決まった時間に取り組む習慣が身につく
勉強習慣と習い事は、非常に似た要素がります。
それは決まった曜日・時間に行うということです。
つまり日々しなければならないことを、ルーティン化して継続する力に結びつきます。
これにより子どもは自然と
「毎日〇時に勉強をする」
「〇曜日の〇時はこの習い事」
という生活のリズムを覚えていきます。
やるべきことがある時間帯を体で覚えさせることは、大人になっても役に立つ経験です。
集中力・継続力が鍛えられる
例えば1時間集中して勉強できる力は、習い事にも応用が効きます。
習い事においても活きる
- 集中して練習する
- 先生の指示をきちんと聞く
- 正しい姿勢で取り組む
といった何かを習う上で大切な姿勢を身に付けることにつながります。
これは自分の成長だけでなく、先生や周りの仲間と良好な関係を築く際にも重要です。
勉強習慣は適切な学ぶ姿勢を身に付けるトレーニングにもなるのです。
成功体験を積むことができる
勉強をしていると少しずつ分かる問題が増えてきます。
そして「問題が解けた!」という体験は、子どもの自信になります。
このようなちょっとした成功体験は、他のことにも積極的に挑戦しようとする自信になるのです。
その結果習い事にも積極的になり、練習の末に「できた」という経験をすることで、勉強以外のことでも小さな成功をたくさん積み重ねていきます。
自分にはできるという自信は、自己効力感を育てます。
より難しい勉強や習い事の練習も
「やればできるかもしれない」
という気持ちが芽生え、前向きに取り組む原動力になるのです。
責任感が生まれる
勉強と習い事を並行することは大変なことです。
しかし一度習慣化してしまえば、忙しくてもやり切るための責任感を持つことができます。
例えば習い事に行く前に30分だけ勉強をするようになったり、習い事から帰ってきたら切り替えて20分間だけ宿題をやったりできるようになります。
多くの子どもは、習い事の前後でスマホを見たりだらだらしたりすることが多いです。
しかし習慣化されていれば、スキマ時間を活用して勉強習慣を続けようと意識できるのです。
このように自分のしなければいけないことをやり切る責任感は、勉強習慣や習い事からも身に付けることができます。
注意点
勉強習慣と習い事は相乗効果が見込めますが、注意点もあります。
それは詰め込み過ぎてはいけないということです。
毎日のスケジュールが勉強や習い事でいっぱいでは、復習をしたり休憩をしたりする余裕が失われてしまいます。
それでは知識や技術が自分の身になっているのか、落ち着いて確認をする暇がなくなってしまいます。
ただ日々のルーティンをこなすだけの作業になっては意味がないのです。
さらに休みなく続けて体を壊しては、元も子もありません。
かならず自分の状況を振り返れる余裕を持って、習慣は続けていく必要があります。
勉強習慣の例
最後に具体的な勉強習慣の例を見て、どのように勉強習慣が身に付き日常生活に役に立っているのか知りましょう!
習慣化した自分(子ども)をイメージすることが大切ですよ。
例1:朝ルーティン型
学校前の勉強でスタートダッシュ
こんな子におすすめ!
- 朝が比較的スムーズに起きられる子
- 夜は疲れて勉強が続かない子
- 短時間でもコツコツ積み重ねたい子
おすすめポイント!
- 朝に勉強をすることで、頭がすっきりし学校の授業も入りやすくなる
- 習い事が夕方や夜に多いご家庭でも、朝学習で勉強を補える
- 新しい知識を取り入れやすい
例2:夕方ルーティン型
習い事の前に勉強タイム
こんな子におすすめ!
- 学校から習い事までに時間がある子
- 帰宅後だらだらしがちな子
- 習い事の後は疲れている子
おすすめポイント!
- 嫌なこと(勉強)を先に終わらせられるので、習い事に集中できる
- 帰宅 → 勉強 → 習い事の流れがスムーズで、習慣にしやすい
- 学校帰りすぐは頭が冴えているので、どのような勉強でも取り組みやすい
例3:夜ルーティン型
習い事の後に集中して勉強
こんな子におすすめ!
- 習い事で夜遅くならない子
体力的に余裕がある子
- 寝る前に頑張れる子
おすすめポイント!
- 学校や習い事が終わっているので、勉強だけに集中できる
- 寝る前に勉強をすることで、定着率が上がりやすい
- 漢字や計算・英単語など、暗記系の学習と相性が良い
例4:週末ルーティン型
平日は習い事、土日にまとめ学習
こんな子におすすめ!
習い事が多い子
平日は勉強時間が取りづらい子
休日の方が集中して勉強できる子
おすすめポイント!
- 平日は習い事、週末は勉強とメリハリがつく
- 週末に習い事の試合や発表会が入っても、時間の調整がしやすい
- 今週の復習や来週の予習など、勉強内容を柔軟に変更できる
まとめ
少し長い記事となってしまいましたが、勉強習慣の身に付け方と勉強習慣が習い事にどのような影響を及ぼすのか解説しました。
勉強習慣を身に付けるコツは
- 勉強できる環境を作る
- 勉強をするための時間を作る
- なるべく小さく負担のないように始める
- 親は必要以上に口出ししない
- 子どもが主体となって勉強の計画を立てる
この5つになっています。
そして勉強習慣が身についた暁には
- 決まった時間に取り組む習慣が身に付く
- 集中力・継続力が鍛えられる
- 成功体験を積むことができる
- 責任感が生まれる
このような素晴らしい成長を遂げることができるはずです。
もちろん急に勉強習慣を身に付け、劇的に変化をすることはないです。
そのため長期的な視点で、子どもの成長を見守る必要があります。
しかし勉強習慣を身に付けた子とそうではない子には大きな差があることは事実なので、焦らずに着実と勉強習慣を身に付けていってください。