保護者の皆さん!
子どものノートを見たことはありますか?
意外と学校のノートをじっくりと見たことがない方が多いのではないでしょうか?
ですがノートはただ黒板を写したり問題を解いたりするためのものではなく、子どもの「勉強の鏡」としての役割があります。
ノートがどのように書かれているのか確認すると、子どもの頭の中を覗くことができますよ。
もし子どものノートを見て
「字がきたない…」
「なんて書いてあるのか読めない…」
「誤字脱字が多い…」
このように感じた方は注意が必要です。
ノートは勉強の鏡
ノートの整理度は思考の整理度
ノートが整っている子は、頭の中も整理されていることが多いです。
要点をまとめたり、重要なところだけに印をつけたりする力は、そのまま論理的思考力や理解力に直結します。
物理的に見ることのできない頭の中ですが、頭の中に一番近いものとしてノートが活用できるのです。
復習しやすいノートは定着率が高い
あとで見返したときに「見やすい」と感じるノートは、学びが定着しやすくなります。
ただ単に黒板や教科書を書き写しているのではなく、自分で要点をまとめているノートほど、復習の効率も高まるのです。
しかし要点を自分の言葉でまとめることは最初は難しいので
- 見やすくしたり見直しをしたりするための、スペースや改行があるか?
- 字や問題の書き方に規則性はあるか?
- 過剰な色使いや線引きはないか?
この3つを意識してみましょう。
見やすいノートを書くためには、頭の中で構成と必要な情報を考える必要があります。
そうすると勉強している内容について自然と頭の中で反芻する機会が生まれ、それが知識の定着へとつながっていくのです。
ただ書いてあることや言われたことを書き写すだけでは、この定着するための過程を経ることができません。
先生の話の受け取り方が見える
ノートの内容から、子どもが先生の話をどう理解し、どのように整理しているかが分かることがあります。
単に写しているだけの子と、自分なりに咀嚼して書いている子では、ノートの質がまるで違います。
ただ色をたくさん使ったり線を多く引くのではなく、書き写している中にも自分の“言葉”でまとめようとしている子は、勉強の最中に頭を使っている証拠です。
能動的に勉強に取り組めているかどうかも、ノートから確認することができます。
成績が伸びないノートの特徴3選
字が雑
男の子によく見られるパターンですが、字が汚くて読めない子がいます。
中には自分でも読めないような雑な字を書く子もおり、ノートを書いている意味が感じられません。
ノートは少なくとも読める字で書く必要があるので、必ず改善するようにしましょう!
対策!
まずはノートを書く姿勢を正しましょう。
字が汚い子は、姿勢も崩れている子が多いです。
肘をついていないか?片手で書いていないか?足を組んでいないか?
また、走り書きがくせになっている子は、時間を取ってゆっくり書く練習をしてみましょう。
余白がない
余白が全くないノートは、見やすいとは言い難いです。
端から詰めて書くことがくせになっており、あとから見直しや書き直しをするための余白がありません。
これでは書いて満足となってしまうことが多いでの、見やすくさらに見直しもしやすくするために適度な余白を作りましょう!
対策!
改行や一行空けて書くタイミングを事前に決めておきましょう。
たとえば、教科書のページが変わったときや、次の大問に移ったときが分かりやすいでしょう。
そして各文章や問題の間にもスペースを空けておくと、あとから書き足したり解き直したりすることができます。
まずはどこに空きスペースがあると良いか考えると、ノートはグッと見やすくなりますよ!
色や線が多い
これは女の子に多く見られるケースですが、色や線が不必要に多い子がいます。
一見するときれいで見やすい場合がありますが、本当に大事なところが分からなくなっています。
勉強したところで重要な部分がどこか、本当に考えられているか見直してみましょう!
対策!
使える色ペンや線の数は、ノート1ページにつき一つや二つまでと決めておきましょう。
そうすることで、色や線を加えたいほど大切な部分を、考えて選ぶことができます。
考えることで、ノートを書きながら自分の頭を整理することもできるはずです。
頭の整理をするためにも、色や線は極力使わないようにしましょう!
成績が上がるノートの特徴3選
読みやすい字
読みやすい字で書かれていることは、見やすいノートの最低条件です。
きれいな字で書かれていないと、あとから見直しをしようという気もなりません。
読みやすい字は、勉強において非常に大切な見直しと解き直しを手助けしてくれます。
見やすい字のメリット
- 見直しや解き直しがしやすくなる
- 先生からもスムーズに採点してもらえる
- きれいな字を書く過程で知識が身につく
適度な余白
適度な余白があることは、頭の中にも余裕があることを示しています。
一方で、ノートを詰め込んで書くくせがある子は、同じように知識を頭の中に詰め込む子が多いでしょう。
ノートも頭の中も、情報を整理する余白を持たせておくことが大切です。
適度な余白のメリット
- 知識を整理しやすい
- あとから情報を付け加えることができる
- 頭の中にも余裕が生まれる
視覚的な工夫
視覚的な工夫が施されているノートは、読みやすいことが多いです。
しかし、必要以上の工夫は何が大事なことなのか分からなくしてしまうので、注意しましょう。
使い過ぎない色や線、枠や矢印は、情報の整理に役立ちます。
視覚的な工夫のメリット
- 本当に大事なところが一目で分かる
- 見直しがしやすくなる
- 頭の中の情報も整理できる
保護者ができること
保護者にできることはノートを評価することではなく、ノートを通じて子どもと対話することです。
よく
「子どもの字が汚いので、先生からも言ってもらえますか?」
という連絡を保護者から頂くことがあります。
こういった連絡があると、塾で問題を解いている間は
「こういう風に問題を書こう」
「ここは改行をしよう」
などノートの書き方を、普段よりも多く指導します。
しかし、学校のノートにまで言及することは難しいです。
それは学校のノートを塾に持ってくる子は少ないからです。
そんな中、学校のノートを一番気軽に確認しやすいのは、一緒の家に住んでいる保護者だと思います。
ですから、ぜひ日頃からノートを確認して、読みやすいノートが書けているか確認してみてください。
勉強を教えることには難しさがあっても、見やすいノートを書くように促すことは、子どもに勉強を教えることよりも簡単ですよ。
勉強を教えたり教えられたりすることには、抵抗のある親子が多いですが、ノートの書き方くらいならむしろ親から言われた方が、子どもも素直に従う場合があります。
ノートの書き方について話すときは
- ノート振り返りの日を決めて、1週間に1回見る習慣をつける
- 色や線の使い方についてのルールを一緒に決めてみる
- きれいにまとめられていたら褒める
- よく書けているページは写真に撮って残す
ノートの工夫に気づいてくれる大人の存在は、子どもにとって大きな励みになります。
最初は見にくいノートでも、徐々に見やすいノートを書けるようになる過程を、親子で楽しみましょう!
まとめ
ノートは、子どもの学びを写す「鏡」です。
物理的に見ることのできない、子どもの頭の中を垣間見ることができます。
見やすく整理されたノートを書くことは、それだけ頭の中の情報も整理されていることを示します。
見やすいノートを書くためには
- 丁寧に字を書く
- 適度な余白を作る
- 過剰な色や線を使わない
この三つを意識してみましょう。
また、ノートの確認は勉強を教えることよりも、保護者でも取り組みやすいはずです。
子どものノートを確認するときは、ダメ出しではなく、改善方法や良いところを褒めるように話してみましょう!
見やすいノートは、理解しやすく、復習しやすく、そして学ぶことが楽しくなる第一歩となります。
「成績が伸び悩んでいるな…」
「知識が身についていないな…」
と感じた場合は、ノートの書き方を見直してみましょう!