塾で子どもたちの宿題を確認していると
「丸つけは親にしてもらっています」
と言う子がいます。
特に小学生に多いのですが、中には中学生になっても親から確認されているという子もいます。
ですがこれは個人的におすすめができません。
なぜなら丸つけこそが勉強の本質であり、丸つけを自分でできない限り自学自習をする習慣は身につかないからです。
そこで今回は丸つけがなぜ大事なのか考え、意味のある丸つけができるようなコツを教えたいと思います!
勉強が苦手な子やなかなか成績が上がらない子は、ぜひ参考にしてみてください。
勉強で大事なこと
勉強において大事なことは何でしょうか?
もちろん年齢が上がるにつれて変わってきますが、まずは小学生・中学生に絞って考えてみましょう。
小中学生にとって大事なことは、新しい知識を得たり考え方を身につけたりすることにあります。
つまり「分からない」を減らし、「分かる」を増やしていく作業といえるでしょう。
さて、ではこの「分かる」を増やすためにはどうしたら良いでしょうか?
それは、何が「分からない」のか知ることから始まります。
新しい単元を学習し始めるときは基本的に全て「分からない」でしょうから、一から順番に学んでいく必要があります。
しかし一度勉強したことを宿題などで繰り返し演習するときは、自分が何を理解していないのか確認しないといけません。
そうしないと無駄に時間を使ったり、「分からない」問題をそのままにしたりして進んでしまうことがあるからです。
そうはならないためにも、丸つけの時間は非常に重要です。
「分かる」を増やすために、自分はどこが「分からない」のかしっかりと見つけること。
そして「分からない」を「分かる」に変えていく努力をすること。
これらが勉強において大事なことになります。
良くない丸つけ
自分の「分からない」を見つけるためには丸つけが大事です。
自分の「分からない」を知らずに闇雲に勉強をしても、なかなか成果は表れないでしょう。
勉強を始める第一歩ともいえる丸つけですが、多くの子どもがしてしまっている良くない丸つけのやり方をご紹介します。
間違いなのに丸をしている
丸つけを片手間でやっている生徒の多くが、この丸つけをしています。
しっかりと答えを確認せずに丸つけをしているせいで、漢字やスペルミス・細かな数字や符号の間違い等があるのに、気付かずにそのまま丸にしてしまっています。
言わずもがなですが、間違いなのに丸をすることは絶対にしてはいけません。
人間ですからたまにのミスなら仕方ないでしょうが、常習化している子は注意が必要です。
間違いに気付かないと、勉強の意味がほとんど薄れてしまうからです。
対処法
丸つけミスがなくなるまで、指差しで確認しながら丸つけをしよう!
指で確認することで丁寧に丸つけができ、間違いを丸することが減ります。
1ページまとめて丸をする
例えば1ページに問題を10問解いたとして、それらをまとめて一つの大きな丸で丸つけをしている子がいます。
この丸つけ方をしている子は、1問ずつ丸をしている子に比べて、間違いなのに丸をしてしまう子が多いです。
中には答えすら見ずに丸つけをしている子もいます。
丁寧に丸つけをしている生徒に、このようにまとめて丸つけをしている生徒は少ないです。
それは間違えた問題を都度きちんと見直しをしていると、1問ずつ丸つけをするようになるからです。
対処法
どれだけ面倒くさくても、1問ずつ丸をつけましょう!
問題ごとに確認をすることで、丸つけのミスを減らせます。
丸つけを後回しにする
丸つけを後回しにしてしまう子も非常に多いです。
後回しにした結果、丸つけを忘れる子がたくさんいます。
問題を解くだけでは自分の「分からない」が分かりません。
問題を解くことと丸つけをすることは必ずセットでしなければ、勉強の質はどんどん低下してしまいます。
これは丸つけをした際の「分からない」発見率が低下するからです。
昨日解いた問題をどのように解いたのかきちんと覚えておくのは難しいです。
その問題を解いた直後ならまだ記憶に新くても、翌日、3日後、1週間後と時間が経つにつれてどんどん忘れてしまいます。
「ここ間違っているけど、どうやって解いたのか覚えていない…」
こうなっては意味がありません。
対処法
問題を解いたらすぐに丸つけをする習慣を付けましょう!
丸つけと見直しが終わるまでは、その勉強は終わりではありませんよ。
丸つけのコツ3選
ここからは、上記の良くない丸つけをしていない前提で話を進めていきます。
まだ良くない丸付け方をしている子は、まずそれを克服してから丸つけのコツを意識してみてください。
丸つけの質、ひいては勉強の質全体がグッと良くなりますよ!
間違いを消さない
授業中に間違いを指摘すると、すぐに消しゴムで消してしまう生徒がいます。
またそういった子の宿題を確認すると、間違った痕跡が全てなくなっていることが多いです。
間違いを消すということは、勉強をした努力を消すということです。
間違いを消すことで、どこを間違えたのか?何を間違えたのか?確認することができなくなってしまいます。
それでは自分の「分からない」をはっきりとさせることができません。
丸つけをした後の見直しの話になりますが、間違えた問題は
- どこを?
- なぜ?
- どう解けば良かったのか?
この三つのステップを常に意識して見直しをするようにしましょう。
そのためにも間違いは消さないように丸つけをしましょう!
解き直しは最初から
丸つけをして、間違いの解き直しまで行っている生徒は素晴らしいです。
しかしその解き直しを最初からやっていますか?
間違えた部分だけを書き直しても、正しい解き方が身に付きませんよ。
この先、似たような問題を解くことがあるはずです。
それを意識して、必ず最初から解いて正解にたどり着けるか確認をしましょう。
符号ミスやスペルミス等、小さなミスでも最初から解き直しをします。
どれだけ面倒くさくても、もう一度最初から解いてみましょう。
正解した問題も見直す
勘で書いたらたまたま正解した。
皆さんはこのような経験がありませんか?
勉強が苦手な子は、何となくで問題を解いていることが多いです。
何となくで解いて正解した問題は、不正解と同じ扱いをしましょう。
暗記科目や覚えておかないと解けない問題は説明する必要はありませんので、分からなかったら答えを見て確認しましょう。
しかし例えば計算問題や文法問題等は、その答えになる理由があります。
そういった問題は、誰かに説明をするような形で理由を言うことができるか試してみることをおすすめします。
もちろん実際に誰かに教えてみても良いですし、一人なら頭の中でロールプレイをしてみると良いです。
正しい丸つけは時間がかかる
ここまで読んでくれた方は分かると思いますが、丸つけは時間が掛かります。
場合によっては、問題を解く時間よりも長くなります。
よく子どもは
「宿題終わった〜」
と言って一段落していることが多いですが、大抵は問題を解くだけで終わっています。
ですが皆さんなら分かると思いますが、勉強は問題を解き終わってから始まるのです。
まずは正しい丸つけをして、「分からない」を見つける。
そしてその「分からない」を「分かる」に変える。
このステップを繰り返していくことが、小中学生の勉強には求められます。
問題や単元によっては、この流れを一つやり切るだけでも非常に時間が掛かります。
そして悲しいことに人間はどんどん忘れていく生き物です。
なので瞬間的に「分かる」となっても、明日には「分からない」となっているかもしれません。
終わりがなく感じるかもしれませんが、それは正しいです。
勉強に終わりはないのです。
それでも日々少しずつ知見を広げて、今日よりも良い明日を迎えられるように進んでいくことが、勉強には求められます。
それは子どもや大人問わずに、誰にでも当てはまることです。
大変そうですか?
人によっては大変かもしれません。
まとめ
丸つけは誰かにしてもらうのではなく、自分できちんとできるようになる必要があります。
それは自分の「分からない」を見つけて「分かる」に変えていくために、大切な過程だからです。
- 間違いなのに丸をしていないか?
- 1ページまとめて丸をしていないか?
- 丸つけを後回しにしていないか?
まずはこの良くない丸つけの仕方をしていないか確認しましょう。
これが全てクリアできたら
- 間違いを消さない
- 解き直しは最初から
- 正解した問題も見直す
この三つができるように丸つけをしてみましょう。
これらをきちんとすると思っていたよりも時間が掛かるはずです。
「丸つけの時間がなかった…」
とならないためにも、丸つけの時間を先に確保してから勉強を始めるようにしましょう!