親心としては、子どもがしたいと思っている習い事は何でもさせてあげたいですよね。
ですが家庭の事情、特にお金のことを考えてしまうと、躊躇してしまうことは多いと思います。
そんな家庭の経済状況によっても左右されてしまう習い事ですが、「スポーツ格差」というものが広がってきているようです。
スポーツ格差とは、経済的に余裕がある家庭しかスポーツの習い事ができない状況のことをいうそうです。
この状況が広まることにより
- 子どもの運動能力の低下
- スポーツを通したルールや人間関係を学ぶ場の喪失
- 達成感や自己肯定感を得る機会の減少
- 勉強と運動のバランスが取れないことによるストレス
このような弊害が生まれることが懸念されています。
今回の記事では、スポーツはぜいたくになってしまったのか?一緒に考えてみましょう!
私の塾は都心に開いていることもあり、いろいろなスポーツの習い事をしている子が多いです。
私の塾の生徒だけでも、野球、サッカー、水泳、テニス、柔道、ダンス、ゴルフ、ボルダリング、、、
このようによくある習い事から今風な習い事まで、幅広いスポーツをしている様子が伺えます。
しかし生徒の中には、したくてもできないと言っている子がいるのも事実です。
それは兄弟がたくさんいたり、保護者が仕事で忙しくて習い事を手伝えなかったりという理由でだめになっています。
「野球をしたいけど、パパとママから弁当作りや送迎が無理だからやめてと言われました」
と言って習い事を断念している小学生の男の子がいました。
私からは何もできないことが心苦しいですが、このような状況になるのは結局、保護者が子どもの習い事を支援できないほど働かざるを得ない現実に原因があるのかもしれません。
つまりお金の問題だといえそうです。
せっかくスポーツをやりたい気持ちがあるのにできないこのような現状を、改善するすべはあるのでしょうか?
スポーツがしたくてもできない子にとって、部活はまたとない機会です。
家庭の理由でスポーツクラブに通うことができなくても、部活なら入ってはダメと言う親御さんはかなり少なくなることでしょう。
それは日本独自の部活文化があるからこそ成り立っています。
上記で紹介した男の子でも、中学生になればきっと野球部に入って念願の野球をすることができると思います。
しかしまだスポーツ格差の弊害は残っています。
それはこれまでスポーツをしたことがないがゆえに、新しいスポーツに挑戦することにおっくうになってしまう状況です。
これも私の塾の生徒ですが、この女の子は中学生に上がってどの部活に入るのか悩んでいました。
「球技が苦手だから、テニスか卓球をして克服したいです」
と言っていましたが
「でもスポーツを全くしたことがないから、始めるのが怖い…」
と不安をも吐露していました。
私からもせっかくだからチャレンジしてみなよと促してはみましたが、結局文化系の部活に入ってしまいました。
これまでスポーツをしてこなかったから、中学生になって初めてスポーツをするのが怖いという子も一定数いるようです。
こうなってしまうと、この先スポーツをする機会は、体育の授業くらいに限られてくることでしょう。
なんとももったいないことです。
では経済的な理由にしろこれまでの経験のせいにしろ、スポーツを始めたくても始められない子どもたちはどうしたらよいのでしょうか?
一つの回答に、遊びでもっとスポーツをすることが考えられます。
友達と野球やサッカー、ドッジボールやバドミントンなども良いでしょう。
習い事と違ってその場にコーチや監督はいないでしょうが、習い事をしている友達が教えることができます。
仮に教えられなくても、スポーツをする経験は積むことができます。
そうすれば新しいスポーツを始めることにも抵抗感がなくなることでしょう。
遊びでスポーツをするためには、公園などの場所が大切です。
都内などの人が密集している所では、子どもがのびのびと走れ回れる場所がどれだけ限られているのか実感します。
それでも子どもたちはいろいろな場所を見つけては、各々楽しんで遊んでいるようです。
子どもは意外とたくましいですね。
そんなたくましさを失わせないように、スポーツのきっかけを奪わないように、考えていく必要があるのかもしれません。
今回の学び
スポーツ格差は、経済的な理由から始まり、将来の子どものスポーツへの積極性を奪ってしまう。
習い事でスポーツができなくても、子どもたちが「遊び」から自然とスポーツに触れられる社会を目指しましょう!
参照:日本経済新聞 スポーツ今や「ぜいたく」観戦、チケット代1.4倍/習い事は親の年収で格差 2025年5月4日