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自由論

「自由論」から習う、社会における個人の自由

自由論

私たちに多くの知見を与えてくれる本

そんな学びを紹介する本から習うシリーズ

今回は、変わった人間になるのが望ましいと教えてくれる 自由論  についてご紹介です!

 

 

本の紹介

 

 本の基本情報

タイトル:自由論

著者:  ジョン・スチュアート・ミル

訳者:  斉藤 悦則

出版社: 光文社古典新訳文庫

出版年: 2012年6月12日

 

 本のテーマ

この本は、イギリスの哲学者であるミルが、「個人の自由とは何か?」「なぜ尊重されなければいけないのか?」を、社会と個人との関係性を考察しながら述べてくれています。

個人の自由はどの程度許されるべきなのか?1859年に初めて世に出た本書ですが、情報化社会の中で生きる私たちにも自由の考え方について大切なことを教えてくれます。

自分とは違った意見がありふれている世の中だからこそ、反対意見を尊重するための心構えも伝えてくれる一冊です!


 

本から習えたこと

 

「自由とは他人を受け入れること」

文中にこのような一節があるわけではありませんが、私がこの本から習えたことを一言で表すとこのようになります。

本の構成としては、まず思想と言論の自由についてから述べ始め、個人の幸福、個人に対する社会が干渉できる限界という風に話が進んでいきます。

印象に残っている部分を挙げるとすると、個人の自由の重要性に焦点を当てながらも、他者への尊重を忘れてはいけないという文脈が多く見受けられた点です。

それは他人の考えや意見が自分とは異なり、そのせいで自分の自由さが損なわれる気がしたとしても、反対意見の中にも正しさ(真理)があると考えているからです。

たとえ自分の主張がどれだけ正しいと思っていても、それは“完璧に”正しくなることはなく、また逆に相手の意見が間違っていると思っていても、それは“完璧”に間違っているということはない、このような考え方の基盤を持つことで、他者に対して寛容になり、それは巡り巡って自身の自由にもつながるということです。

このように「自由」の定義だけでなく、他人との関わり方も学ばせてもらいました!

 

子どもへのおすすめ度

 

構成(読みやすさ) 3.5
内容(分かりやすさ) 4.0
視覚的要素(図・イラスト・写真の量) 1
学習へのつながり 5
総合 3.5

 

哲学書であり、図やイラストなどは全くありません。

そのため子どもは手を出しにくい本だと感じるかもしれませんが、むしろ若い人に読んでほしい本になっています。

その趣旨に違えず、内容的には中学生でも十分理解ができるような翻訳がしてあり、ある意味やさしい哲学書という本です。

 

本音塾長
多感な時期に悩みがちな周りの人との関わり方を、この本から学べるはずです。
本音塾長
自分のアイデンティティーを模索する手助けもしてくれることでしょう。

 

何といっても、他人を尊重するという考え方は、大人になってからも大切な心構えです。

自分の自由と他人の尊重を良いバランスで教えてくれる本書は、特に中高生におすすめできる内容になっています!

 

保護者へのおすすめ度

 

読みやすさ(時間) 4
知的満足感 5
実生活への応用 4
教育へのつながり 5
総合 4.5

 

自由の考え方の詳細な記述からは、子どもとの接し方について考えられる部分があります。

それは他人(子ども)の考え方を尊重するという部分です。

いくら我が子と言えど、自分ではない以上、考え方や意見の違いがあると思います。

子どものまだ未熟な価値観ならば、それは当然かもしれません。

そのような親子間での違いに対して、どのような態度・思考で向き合えば良いのかヒントを教えてくれます。

 

本音塾長
子どもだけでなく、家族、友達、仲間、そして無数に関わる他人が持っているものの考え方、つまり価値観に寛容になれるはずです。
本音塾長
それはきっと生きる上で、大きな財産になると思います。

 

もしもっと広い視野で見るならば、個人の自由と社会のつながりについて考えてみるきっかけも与えてくれることでしょう。

300ページ弱と哲学書にしては短めで、一般的な文庫本と変わらない読みやすさなので、隙間時間で読むことができますよ。

 

塾長のコメント

 

 この本を読んだきっかけ・・・

私はこれまで自分なりに自由に生きてきたと思っています。

その中で、自由とは何か?自問自答したこともあります。

正解のない問いかもしれませんが、その答えがより深められれば良いなと思い、この本を手にしました。

 

 読んでみた感想・・・

1800年代に刊行されたこの本が、現代でなお通じる自由の考え方を教えてくれることに、心躍りました。

どれだけ大衆文化や技術が変化しようとも、寛容さを軸とした人間関係は変わるべきではないのかもしれません。

そのためにも、まずは自分自身の価値観を持ち、他人との違いを恐れず、そして他人が持っている意見をまずは受け入れる、このように生きていきたいと思いました!

 

 興味がある方へ・・・

自由とは何か?はたまた他人との関わり方や人間関係に悩んでいる方には、ぜひ一度読んでほしいです。

他人と関わる必要のある社会で生きていく上で、非常に大切な心構えを教えてくれます。

昔の本ですが、中学生でも理解できるように、現代の言葉で分かりやすく翻訳してくれていますよ。

自由に生きるための足掛かりをつかんでみてください!


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